有価証券

有価証券は株券、国債や社債といった債券などの権利を表す証券のことをいいます。有価証券という勘定科目を用いて処理します。
株券と債券の大きな違いの一つとして株券は返済の義務はありませんが、債券には返済の義務があります。

「有価証券」は貸借勘定科目であり、「流動資産」に分類される「売買目的有価証券」と1年内に満期の到来する「有価証券」の表示科目をいう。

「有価証券」は消費税の対象外です。

有価証券は主に証券会社から購入しますが、その際に発生する手数料と有価証券の購入代価を合わせた金額が有価証券の取得価格となります。
(1)A社は売買目的でB社の株式を100株500,000円で購入し、売買手数料5,000円とあわせて現金で支払った。

有価証券を売却した際に取得価格よりも高く売れた場合にはその差額を「有価証券売却益」で処理し、損をしている場合には「有価証券売却損」で処理をします。

(1)1株2,000円で200株購入したA社の株式を、1株2,500円で100株売却した。売却金額は普通預金口座に入金された。

(2) 1株2,000円で200株購入したA社の株式を、1株1,600円で100株売却した。売却金額は普通預金口座に入金された。

有価証券の価格は一定ではなく、常に変動しています。その為、決算日において有価証券の時価を確認し、取得価格から変動があれば評価替えを行うことで取得価格を時価に修正します。株券、国債や社債といった債券などの権利を表す証券のことをいいます。有価証券という勘定科目を用いて処理します。売買目的有価証券に関しては時価法という評価替えの方法が適用されます。

評価替えは期末決算時の決算整理仕訳の際に行います。

(1)期末日となった為、売買目的で購入したA社の株式500株について評価替えを行うこととした。（取得価格500,000円　時価570,000円）

(2)期末日となった為、売買目的で購入したA社の株式500株について評価替えを行うこととした。（取得価格500,000円　時価430,000円）

期末に評価替えを行った有価証券は、翌期首には洗い替えを行うことで帳簿価格を取得価格に戻す。

(1)前期末に有価証券評価益70,000円を計上しているため、期首に洗い替えを行うこととする。

(2)前期末に有価証券評価損70,000円を計上しているため、期首に洗い替えを行うこととする。

差入有価証券は保有価証券を担保として差入れた場合に手元から離れた有価証券を帳簿上、管理するために「有価証券」勘定から「差入有価証券」勘定への振替を行います。
差入れた側は帳簿価格で記帳します。
(1)金銭消費貸借契約により借入を行った際に担保としてA社の株式、帳簿価格1,700,000円を担保として差入れた。

保有価証券を担保として受け入れた場合に自社が所有している有価証券と区別して管理するために、「預り有価証券」勘定と「保有有価証券」勘定を対として用いる備忘勘定です。
預かった側は時価で記帳します。
(1)金銭消費貸借契約により貸付けを行った際に担保としてA社の株式、評価額2,000,000円を担保として預かった。

株券を所有しているとその会社が配当を出すことがあると配当金を受け取ることができます。その場合は「受取配当金」勘定で処理します。配当は株主総会で決議されることで株主に利益の分配が行われます。
債券の利息を受け取った場合は「有価証券利息」勘定で処理します。

(1)保有しているA社の株式500株に関して、1株につき12円の配当金が支払われることとなり、現金で受け取った。

(2)保有しているB社の社債に関して半年分の利息を現金で受け取った。（額面500,000円　利子率5%　利払い日は年2回）